モルモットが食べてよいものダメなもの

  • モルモットには何を食べさせればいいの?
  • モルモットが与えてよい野菜や果物が知りたい
  • 絶対に与えてはダメなものは?

こんなふうにモルモットの食事で悩んでいる方に向けて
モルモットの基本的な食事や、食べてよいものとダメなものをまとめましたのでご紹介します。

本記事の内容

  • モルモットの基本的な食事
  • モルモットが食べてよい野菜や果物
  • モルモットが飲食してはいけないもの

10分ほどで読めるので、モルモットに与える食べ物で悩んでいる方は是非最後まで読んでみてください。

モルモットの食事

モルモットは草食動物であり、野生では野草の茎や根、樹皮など食物繊維が多く栄養価が低いものを食べています。モルモットの腸内細菌は人間とは違い多くの食物繊維を必要とするものであり、繊維質が高いものを摂取することで善玉菌を増やし腸内環境を整えます。

逆に食物繊維が少ないものや、炭水化物やタンパク質などが多い食べ物はNGです。
腸内細菌に異常が生じ、悪玉菌が増えて病気にかかってしまいます。

では飼育下ではどんな食事を摂ればよいのでしょうか。
基本的に用意する食べ物は牧草ペレットです。
補助的に与えるものとしては野菜や果物がよいでしょう。

必要な順にならべると
 1. 牧草とペレット
 2. 野菜
 3. 果物

牧草

イネ科のチモシーやマメ科のアルファルファなどがありますが、基本的にはチモシーを与えてください。

チモシーは低カロリーで高繊維質であり、100gあたり約30gの粗繊維が含まれています。

また、チモシーを何度もすり潰すことで歯を削り、不正咬合を予防します。
(※不正咬合:歯並びや咬み合わせの状態が良くないこと)

牧草の量

大量に用意してあげてください。
モルモットは食べる量を自分で調節できるので牧草を切らさないことが大切です。

アルファルファは与えていいの?

与えてよいですが、条件があります。
それは子ども(成長期)であること、または病気で栄養が不足していることです。

アルファルファは栄養価が高く、たん白質・カルシウムが豊富です。
そのため、栄養が必要な成長期や病気で栄養が不足しているモルモットには適しています。

逆に、大人のモルモットや健康なモルモットだと栄養過多で肥満の原因になります。
またカルシウムが含まれるため、摂りすぎると尿路結石になるので注意が必要です。

ペレット

モルモットに必要な粗繊維やビタミンC、葉酸などを含んだ粒状の飼料です。

特にビタミンCが重要なので、ビタミンCが配合されているペレットを選びましょう。

※モルモット用なら問題ないですが、他の草食動物用だとビタミンCが含まれていない場合があります。

1日の理想的な量

体重の約3%
例)体重1kgだと30g

モルモットとビタミンC

モルモットは人と同じように体内でビタミンCを合成することが出来ないため、他から必要な分を摂取しなければいけません。
モルモット用に作られたペレットにはビタミンCが配合されているので、ペレットはモルモット用のものを与えましょう。
ただし、保存状態が悪かったり、開封してから時間が経ってしまうとビタミンCが劣化してしまいます。

ペレットの保管方法

ビタミンCは酸化や光によって壊れるため、以下の2つを心掛けると長持ちします。

  1. 容器に脱酸素剤を入れて密閉する
  2. 暗所で保管、または遮光性のある容器(アルミ製の袋など)で保管する

野菜

モルモットに必要なビタミンCを補うことができます。

ん?そもそもペレットにビタミンCが入ってるのに野菜は必要なの?
そう思われた方もいるでしょう。結論から言うと少量与えることを推奨します。

ここで体重1kgのモルモットを想定して
1日に必要なビタミンCの量ペレットに含まれるビタミンCの量を比較してみます。

・ペレットの量
  30g(体重の3%)
・1日に必要なビタミンCの量
  通常時:15~25mg
  病気や妊娠中:30~50mg
・ペレットに含まれるビタミンCの量
  ペレット名:モルモットセレクション
  ビタミンC:1200mg/kg

計算すると
1200×0.03 = 36mg
なんと36mgも含まれていました。


ペレットに含まれるビタミンCの量 > 必要なビタミンCの量
となるのでペレットで充分補えるように思えます。

しかしここで思い出してほしいのですが、
ビタミンCは酸化や光によって壊れてしまいます。
お店で陳列されてから時間が経っている場合もそうですが、開封から時間が経つ場合なら実際の含有量は記載値より低いと考えた方がよいです。

そのため、ビタミンCを補う食事として野菜を少量与えることをオススメします。

野菜を与える頻度と量

頻度:1~2日に1回
量:5g程度

あくまで補助的なものなので牧草を食べるのに影響がない程度にすることが大事です。

モルモットが食べてよい野菜

にんじん、パセリ、かぶの葉、だいこんの葉、青ピーマン、赤ピーマン、黄ピーマン
ブロッコリー、パクチー、こまつな、キャベツ、きゅうり、セロリ
などです。

けっこうたくさん食べられる野菜がありますね。
しかし、どれにしようか悩む方もいらっしゃると思います。
そこで!この中から特におすすめな野菜を絞り込んでみました。

    おすすめな野菜の条件
  1. モルモットに特に必要なビタミンCが豊富であること
  2. カルシウムとシュウ酸の含有量が少ないこと(尿路結石の原因となるため)

表) 野菜の成分(ビタミンC含有量多い順)

食品成分 エネルギー[kcal] たんぱく質[g] 脂質[g] 炭水化物[g] カルシウム[mg] 葉酸[μg] ビタミンC[mg] 食物繊維総量[g]
赤ピーマン 28 1 0.2 7.2 7 68 170 1.6
黄ピーマン 28 0.8 0.2 6.6 8 54 150 1.3
ブロッコリー 37 5.4 0.6 6.6 50 220 140 5.1
パセリ 34 4 0.7 7.8 290 220 120 6.8
かぶの葉 20 2.3 0.1 3.9 250 110 82 2.9
青ピーマン 20 0.9 0.2 5.1 11 26 76 2.3
だいこんの葉 23 2.2 0.1 5.3 260 140 53 4
パクチー 18 1.4 0.4 4.6 84 69 40 4.2
こまつな 13 1.5 0.2 2.4 170 110 39 1.9
キャベツ 23 1.2 0.1 5.2 42 66 38 1.8
きゅうり 13 1 0.1 3 26 25 14 1.1
セロリ 12 0.4 0.1 3.6 39 29 7 1.5
にんじん 32 0.7 0.2 8.8 24 23 4 2.8

引用元)文部科学省の食品成分データベース

ここからカルシウムとシュウ酸の含有量が多い野菜を除きます。
カルシウムが多い野菜:パセリ、かぶの葉、だいこんの葉、こまつな
シュウ酸が多い野菜:ブロッコリー、キャベツ

食品成分 エネルギー[kcal] たんぱく質[g] 脂質[g] 炭水化物[g] カルシウム[mg] 葉酸[μg] ビタミンC[mg] 食物繊維総量[g]
赤ピーマン 28 1 0.2 7.2 7 68 170 1.6
黄ピーマン 28 0.8 0.2 6.6 8 54 150 1.3
青ピーマン 20 0.9 0.2 5.1 11 26 76 2.3
パクチー 18 1.4 0.4 4.6 84 69 40 4.2
きゅうり 13 1 0.1 3 26 25 14 1.1
セロリ 12 0.4 0.1 3.6 39 29 7 1.5
にんじん 32 0.7 0.2 8.8 24 23 4 2.8

以上の結果から

    おすすめな野菜TOP3
  1. 赤ピーマン(赤パプリカ)
  2. 黄ピーマン(黄パプリカ)
  3. 青ピーマン

モルモットが食べちゃダメな野菜

ネギ、玉ねぎ、ジャガイモの芽、ジャガイモの皮、ニンニク、トマトのヘタと葉、アボカド(※正確には果物)

野菜で食物繊維は補うことができるか?

モルモットに必要な食物繊維を野菜で補うことは難しいです。

100gあたりの食物繊維は
チモシー 35g程度
野菜    2~7g程度
 例) ピーマン 2.3g、パセリ 6.8g

野菜にはほとんど含まれていませんね。
食物繊維の補給は牧草メインで行うようにしましょう。

果物

ビタミンCを補うことができます。
ただし糖分が多いため、野菜の方がおすすめです。
与えるとしても三日に一回の頻度で、少量(5g程度)にすること。
種は毒となる場合があるので与えないこと。

モルモットが食べてよい果物

りんご、バナナ、イチゴ、キウイ、みかん、桃(果実) など

モルモットが食べちゃダメな果物

アボカド、桃(種) など

補足:その他NGな飲食物

以下の飲食物はNG!!
中毒を起こす可能性があるため絶対に与えてはいけません。

・スズラン、水仙、チューリップ等の植物
・チョコレート類、香辛料等
・コーヒーやアルコール類

まとめ:モルモットが食べてよいものとダメなもの

  • 特に必要なのは食物繊維とビタミンC
  • 食物繊維は牧草とペレットで摂取し、ビタミンCはペレットと野菜(果物)で補う
  • ビタミンC豊富なおすすめの野菜は赤パプリカ、黄パプリカ、青ピーマン
  • NGな飲食物はネギ類やアボカド、果物の種子、コーヒーやアルコール類など

以上、モルモットの基本的な食事と食べてよいものダメなものをお伝えしてきました。
ビタミンCは特に重要なので野菜を補助的に与えることをおすすめします。
普段から幅広く食べさせておくと、病気や妊娠中などビタミンCを多く必要とする時にも抵抗なく野菜を食べてくれます。

また、NGな飲食物として挙げたものはモルモットにとって猛毒となりますので絶対に与えないように注意してください。

皆様が飼っているモルモットちゃんが健康的に過ごせることを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。