最近チンチラちゃんの様子がおかしいと悩まれている方に向けて
我が家のチンチラちゃんの実体験をもとに不正咬合時の行動や状態をお伝えします。
また、どのような治療を受けて元気になったのか
かかった金額や期間そして注意点も含めお伝えしますので、
参考にしていただけたら嬉しいです。
本記事の内容
- 不正咬合時に起きた異変
- 病院での診察と治療
- 治療後の体重と食事量の推移
10分ほどで読めますので、チンチラちゃんの様子がおかしいと悩まれている方は是非最後まで読んでみてください。
不正咬合とチンチラの異変
チンチラちゃんに異変を感じたらすぐ病院へ
普段から観察している飼い主さんが感じた異変ならそれは正しいです
不正咬合とは
歯が正常な位置や形態でない状態を指します。
通常、チンチラは上下の歯が正確に咬み合うように配置されています。しかし、歯が伸びすぎて噛み合わせが悪くなると歯の成長や配置に問題が生じます。酷いものだと口内を傷つけてしまい、食欲不振や病気に繋がります。
不正咬合で起きた8つの異変
以下のどれか、または複数当てはまる場合は不正咬合かもしれません。
一度病院で診てもらうことをおススメします。
1. よだれで首元が汚れている
2. 食欲減退
- チモシーをほとんど食べない
- ペレットを食べる量が半分以下
3. ペレットの食べかすの形が粗い
4. 目ヤニがついている
5. 散歩中でもあまり動かない
- 走り回らず一か所で静止
- 飼い主のそばでじっとしている
6. 木を齧らない
我が家ではおやつとしてリンゴのかじり木をあげています。
健康時は表面をキレイに剥がして食べます。
しかし、不正咬合時は全く口にしませんでした。
かじり木(健康時)
かじり木(不正咬合時)
7. 体重の減少
健康時よりも体重が約30g減っていました。
8. うんちが小さい
うんちの大きさが健康時の半分以下でした。
病院での診察と治療
行動の異変や食欲の減衰について伝えたところ
状況を細かく聞いていただき「不正咬合の疑いがありますね」と推察されていました。
詳しく確認するためチンチラちゃんを先生に預け、待つこと約20分
診察結果は…「不正咬合」でした。
それもかなり進行しているとのことでした。
不正咬合の場所
不正咬合となっている箇所は2点
- 第一臼歯 → 尖っており上下が嚙み合っていない
- 第三臼歯 → 目視では断定できないが歪曲しているように見える
具体的にどのように歯が伸びていたかを説明するために、口内をいろんな角度で撮った写真を見せていただきました。ここでは写真そのものをお見せすることはできませんが、イメージとしては以下のとおりです。
図1. 横から見たチンチラの歯
第一臼歯については伸びている箇所をニッパーで切り整え、噛み合わせをよくしてもらいました。
第三臼歯については歪曲している可能性があるが治療には精密検査が必要なので、今回の治療で状況が改善されない場合は後日来院してほしいとのことでした。
結論から言うと改善されませんでした。
2,3日様子を見ましたが食欲は戻らず体重も減るばかりなので、
再度来院し精密検査と治療を行ってもらいました。
午前中に精密検査を受け、午後から麻酔治療を受けました。
CTスキャンのような機械があり、そちらで治療箇所を確認してピンポイントで処置していただきました。
第三臼歯が大きく歪曲して口内を刺激していたため、ドリルで削って噛み合わせをよくしてもらいました。
図2. 横から見たチンチラの歯(奥まで確認)
治療は無事成功しました。
麻酔が少し残っているせいかチンチラちゃんはぼーっとしている様子でした。
不正咬合に気づくのが遅れた理由
チモシーの選り好みだと楽観視していた
チンチラちゃんはグルメな動物です。
うちの子もチモシーの好みがコロコロ変わるので、今回の食欲低下もチモシーに飽きたからだと決めつけていました。
また、進行の初期段階ではペレットをきっちり一日分完食していたこともあり、チモシーの選り好みという思い込みを増長していました。
前の病院で見落とされていた
実は今回の治療を行う前に別の動物病院を利用していました。
誤解のないようにお伝えしておきますが、その病院の先生を責めるわけではありません。
不正咬合になっている箇所が第三臼歯(奥の歯)だったので、口内を目視しても詳細な状況を確認できなかったということです。
また、口内に血が付着している様子もなかったので、不正咬合だとしてもそこまで進行していないという見解でした。麻酔すればより確実な処置を行うことができますが、チンチラちゃんへの負担も大きいため様子見することになりました。
しかし、1週間ほど経ってもチモシーを食べる量は増えませんでした。
ついにはペレットを食べる量も減衰したため、セカンドオピニオンとして別の動物病院で診察してもらうことにしました。
治療後の食事について
治療の痛みがなくなるまで
流動食をあげていました。
麻酔が切れたあとは治療の痛みがあるせいかチモシーやペレットを全く食べませんでした。
自分の手でペレットを口元に持っていくのですが、少し噛んでは捨てていました。
お腹は空いているのに痛みで食べられないのだと思いました。
治療後に痛みで食べられない可能性があるということは聞いていたので、事前に用意した粉末フードを水に混ぜてペースト状にしたものを口に運びました。
もしこれでも食べないならシリンジで強制給餌することも考えましたが、そんな不安もよそにバクバク食べてくれました。
流動食からペレットへ
流動食開始から3日経ったころ、徐々にペレットを食べる生活に戻そうと行動に移しました。
というのも流動食のままだとあごの筋力が低下し、歯も擦り減っていかず状況が悪化してしまう可能性があるのです。
いきなり全ての食事をペレットにしても食べてくれないので、流動食の量を1/2にし、残りをペレットに置き換えてみました。
しかしペレットは食べませんでした。
他の種類のペレットはどうだろうと思い、複数のペレットをあげてみると粒の大きさが小さいものを選んで食べていました。
そこで普段のペレットを半分に折ってあげてみたところ、なんと食べてくれました。
食べてくれる条件がわかったので、
徐々に流動食の割合を減らし、3日間ほどでペレットに移行することできました。
完全移行したころにはペレットを折らずに食べれるようになっていました。
完全復活まで
治療後から7日後にはペレットとチモシーを食べるようになりました。
体重の推移は以下のグラフのとおりです。
治療後3~4日は体重が減少しましたが、その後は段階的に増えて健康時の体重を上回りました。
グラフ1. 体重の推移
食事量の推移は以下のグラフのとおりです。
3日目からペレットに移行し始め、その後はペレットを食べる割合が増えていきます。
6日目からチモシーを食べ始め、そこからすぐに健康時の水準に戻りました。
グラフ2. 食事量の推移
その後の経過
治療から約一か月半経ったころ、不正咬合の状態を確認してもらうために病院に行きました。
診察結果としては、ほぼ問題なしとのことでした。
少し伸びているところがありましたがニッパーで切り揃える程度で済みました。
麻酔治療は不要とのことで安心しました。
体重も測ってもらいまして、721gの健康体でした。(よかった。)
1~2か月に一度の定期健診で今後も歯の状態を確認してもらおうと思います。
何か変化があったり、気を付けるべきことがあれば、別途記事を書いてお伝えしようと思います。
まとめ:チンチラの不正咬合と異変について
まず第一に、何か異変を感じたらすぐ病院で診てもらいましょう。
以下の異変があると不正咬合かも?
- よだれで首元が汚れている
- 食欲減退
- 体重の減少
- うんちの大きさが普段より小さい
- ペレットの食べかすの形状が粗い
- 目ヤニがついている頻度が高い
- 部屋んぽ中にあまり動かない
- かじり木を齧らなくなる
全てのチンチラちゃんに本記事の内容が当てはまるわけではありません。
ただ、飼っているチンチラちゃんの不正咬合や体調不良に悩まれる方の参考になれば幸いです。
似たような兆候があれば一度病院で診てもらう事をおすすめします。
皆さんのチンチラちゃんが健康であることを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。